書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

外国語って、寄り添う姿勢も大事なわけで

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先日、フランス人シェフにお目にかかる機会があったときのこと。

私の微々たるフランス語でご挨拶と簡単な会話を。

(すっかり錆びついて、と言いたいところですが、そもそもそこまでのレベルではなかった。。。 

 ごく最低レベルの言葉と、

 食の仕事に携わっている関係上、メニューが読め、

 取材時、厨房で困らないフランス語を習得しているのが私のレベル)

 

でもね、この“微々たる”でも、喜んでもらえるんですよ〜。

逆の立場に立つとよくわかる。

会話としてはスムーズに運ばないので、すぐに言語を切り替えるにしろ、

外国語が母国語の人に日本語で挨拶されるとうれしい、のと一緒で。

 

イギリス人の友人の家に遊びに行ったとき、

まったく使われなかったもの(笑)、

日本語の会話がプリントアウトしてあったのを見つけたことがあり、

それってね、その姿勢がね、寄り添おうとする姿勢がうれしいじゃないの。

 

で、そのシェフとは先方の日本語(私のフランス語よりずっといい!)、

そして最終的には、お互いに一番意思疎通しやすい英語に切り替えて。

 

 

以前、フランスで修業なさったシェフに、言語についての心構えをきいたとき、

フランスで修業するならフランス語って思いがちで、それはそうなんだけど、

同時に英語も大事。

なぜなら、有名店はスタッフにしろお客にしろ、世界から人が集まり。そこでの共通語は英語だから。

シェフがフランス人でフランス語でも、スタッフ同士だと英語ってことも少なくない、と。

 

フランスに留学経験のある私の友人も似たようなことを言っていて、

授業でいちばんつらかったのは休み時間だった、と。

なぜなら、そこでの共通言語は英語だから。

 

うん、そうだよなぁ。

だからこそ、このフランス人シェフも英語で世界を渡ってきたわけだし、

私自身の経験を振り返ってみても、相手の母国語がフランス語でもタイ語でも広東語でもデンマーク語でも、意思疎通は英語だもんなぁ。

 

 

ただね、それだけじゃない。

言語と同時に、言語以外の言語というか、

物怖じしないとか、輪に加わるとか、主張するとか、そういう態度も同時に大事で

(黙っていては誰も口までエサを運んではくれない)、

両輪を動かすってことがね、必要なんだよなぁ。