書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

手書きはもはや過去の遺物なのかも

f:id:ricorice:20171016224438j:plain

ケンブリッジオックスフォード大学で試験の際に、

スマートフォンやラップトップの持ち込みで許可するって話、

どこできいたんだったかなぁ。

 

カンニング防止のいたちごっこをやめるといった理由ではなく、

悪筆に試験官の採点が手こずるからだとか。

なんでも文字を書いたことがない学生が多いからだとか。

 

そうだよなぁ。

おそらく試験で重視するのは、いかに多くの知識を覚えているかではなく、

理論の構築とか思考の深化とかそういうことだろうから、

だとすると、スマホやパソコンの有無はほとんど関係ない。

 

 

自分におきかえても、ほんとっ、文字を書かなくなったもんね。

仕事のひとつである執筆は完全にパソコンだし、

私はいまだ手書きだけれど、朱字を入れるのもラフ(絵コンテ)もデジタルガジェットで、って人もいる。

 

請求書を作らないことも増えたし、

だいたいクレジットカード使用時にサインすることももはやほとんどないし、

小切手にいたってははるか遠い昔のことのよう。

私の場合は、最低必要な方以外への年賀状やクリスマスカード、バースデーカードを書くこともやえめちゃったし。

 

手で書くのはもたもたして時間がかかるし(タイピングの方がずっと速い)、
今やe-mailすらかったるく、メッセンジャーや電話代を気にしないスカイプ通話で、必要なそのときに世界中とやりとりできるし。

 

 

え〜、文字書かないの、って声もきこえてきそうですが

(私がこのニュースにふれたとき、伝えた人は、けしからん!みたいなこと言っていたけど)、

これも時代の流れよねぇ。

手を動かすのは、ほかに向けた方がいいのかも。

同時に、“手書き”ってことがユニークなタイポグラフィー、もしくは一種のアートみたくなって、ものすごい稀少価値が出てきたりして。