コンラッドもイシグロもイギリス人作家である
つい最近まで、ジョゼフ・コンラッドがポーランド出身って知らなかったんですよ。
私のなかでは、あくまでイギリス人作家という位置づけで、出身とか考えたことなかったので
(もちろん、作品にバックグラウンドは多かれ少なかれ反映されるわけだけれど)。
やっと読み直しましたよ、『闇の奥』。
20代に読んだ頃よりは、ずっとスムーズだったけれど、まだまだだなぁ。
もう一回読んで、次は原書にとりかかるのがよさそう。
カズオ・イシグロも私にとっては同じで、イギリス人作家で、
実際に作品を読むと、イギリスを強く感じます。
感じる、というよりは、理解しやすい、と言った方がいいかもしれない。
(そのバックグラウンドからイギリスを一歩引いてみていて、
同時にまた自身のアイデンティティーを求めているところがあり、
それが世界に訴える普遍性につながるのかもなぁ、と捉えています。)
ただねぇ、もうね、下品としか形容しようのない、
カズオ・イシグロがノーベル文学賞受賞後のこの狂想曲はいかがなもんですかね?
(村上春樹はどこへ行った?(笑))
・幼稚園(保育園)の先生に押し掛ける
・日本人として紹介(彼はイギリス国籍を取得したイギリス人です。イギリス在住日本人って(絶句!))
・英語がうまい(はあああああ? 当たり前でしょ? イギリスの英語圏で暮らしているイギリス人で母国語である英語で書いているんだよ!)
・村上春樹に影響を受けた(これをことさら強調するって何? 影響を受けた/気になる作家のひとり、ってことでしょ、絶対的に、ってことではなく)
必死で日本への紐づけして、えげつないこと極まりない!
(ここまでくると、カズオ・イシグロもさることながら、村上春樹も相当かわいそうである)
せいぜい、
“日本で生まれ、子供の頃にイギリスに移住。それが作品に反映されている面は否定できない”
ぐらいのもんで、それ以上でもそれ以下でもないんじゃないの。
日本でコンラッドを語るときに、ポーランド人作家と紹介したり、ポーランド人であることをことさら強調したりしないでしょ。
それと同じ、のはずなんだけれど、なぁ。
状況は、数年前に感じたよりも(↓)、確実にひどくなっているよなぁ。
こういう振る舞いって、明らかに、三流以下。下品そのもの。
話題になればそれでいいの?
個人ならいざしらず、メディアや国が率先してやっていることが、それを物語っていますね。
“絶望的”の極み、です。