書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

風評被害って言葉、間違ってない?

 

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地震、台風や洪水などの自然災害。。。

思いがけないことが襲ったあと、そこの場所に足が遠のくのは、

私はごく自然な心理だと捉えています、特に観光では。

 

同じことが起こるのではないか、ってのもあるでしょうが、

気を遣う感じも足が遠のいてしまう、

素直に楽しめない空気感になってしまう、も存在すると思うのです。

 

 

その足が遠のく行為を風評被害と批判するのってなんなんだろう。

現地の人や、関わっている人が、

状況を報告すること、問題ないですよ、と広く伝えることは大事だけれど、

自分たちの経済が大変だから来てください、ってのは余計なひと言。

全然お客さん視点じゃないよね、自分たちの都合だよね。

そんな場所には行きたくないなぁ。

 

現状を踏まえた上で、

「じゃあ、行こう!」

「今はやめておこう、もう少し様子をみてから」

どう捉えるかはその人次第。

それを“こうすべし!”ってのは、しかも自分たちの都合で言うのは、違うと思う。

 

本当にお客さんの立場に立つのなら、キャンセルの人に対して、

「心境お察しします。今は仕方ないですね。でも、落ち着いたらまた来てくださいね」

ってセリフが、たとえ強がりでも出てきていいんじゃないかなぁ。

 

 

今こそそこに行きましょう!ってのをアピールできるのは、

実際に予約を取り消さなかったり、だからこそ訪ねたりする、お客サイドの人だと思う、現地の人じゃない。

実際に行動した人が

「楽しかったよ」「よかったよ」「大丈夫だったよ」

言ってこそ初めて実態と実感が伴うわけで。

 

 

風評被害って、つくづく実態のない体のいい言葉だと思う。

言われた方は人でなしなことをした気分に陥れる。

なんでもかんでも風評被害と言えば、言葉で責め立てる行為、

風評被害じゃなく実被害もあるわけで、そこを検証もせず感情論で、

ぎゃあぎゃあ責め立てるのって、みっともない!