書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

水菓子をお願いして、登場したものは

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先日、ある和食屋さんで食事をしたときのこと。

おまかせで季節のあれこれをいただき、日本酒も多少いただき、すっかり満ち足りた気分に。

ひととおり料理が終わったあと、お店のご主人に、

「よろしかったら水菓子はいかがですか」と。

 

お腹はすでにいっぱいだったけれど、締めくくりに口の中をさっぱりさせるのはいいな、そのくらいなら入りそうだし。

じゃあ、とお願いして出てきたものを見てびっくりしました。

 

目の前に現れたのは、抹茶ババロア

あ〜〜〜〜っ、てっきりイチゴとか季節の果物だと思っていたのにぃ!

 

 

水菓子とは本来は果物のこと(なぜ、果物を水菓子と呼ぶのかについてはぐぐってみてください)。

水分を多く含む、ゼリーとかムースとか水羊羹とかわらび餅とか、のことじゃないんだよなぁ。

紛らわしいけど、菓子屋や一般的な会話ならいざ知らず、和食屋であればなおのこと。

そこの和食屋さんが、価格やご主人のキャリアから水菓子の意味を知らないとは思えず、お客さんの方で知らない人が増えたので、それに合わせてってことなの、かなぁ。

 

目くじら立ててどうのこうの言うつもりはなくって、

だったら、いっそのこと、デザートとか果物とか直接的な表現をしてもらう方がいいなぁ。

 

仕事でも同じことが言えて、

「知らないの?」とがっかりするのではなく

(こんなことでマウンティングしたがる人がいるのは困ったもんだ!)、

「知らないのなら別の表現をしよう」って

共通認識を抱けるわかりやすい言葉を使うって大事かも。