新聞で一番おもしろいのは書評
新聞を定期的にとらなくなったのは、イギリスから帰国した2001年。
ネットでニュースが拾えるようになったし、それでもときどきは駅の売店やコンビニで買ったりしていました。
それが、今では、たま〜にしか買わなくなって、出張先のホテルや帰省したときに読むぐらいです。
いつだったか、新聞社の記者の方が、「母体の新聞社がなくなったらライターぐらいにしかなれない」と冗談まじりにおっしゃったことがあって、ライターという職業を随分となめた発言だなぁと思ったものです。
なめた、というよりもライターという職業に対する大きな誤解。
新聞の記事は、起こったできごとを伝えることが軸です。5W2Hを押さえることが最重要。
しかし、同じ紙媒体でも雑誌や書籍の場合は、“読者の興味を想起させる”、つまり“読ませる”ことがより重要です。
そのために取材をし(私の感覚だと1伝えるために10情報を得る)、調べものをしたり、とにかく手間がかかります。
ライターの仕事の書く作業は全体の3〜5%じゃないでしょうか。
大半は調査に費やされ、ほかにも校正ややりとりなどの作業が発生します。
今、新聞を読んでいて一番おもしろいのは書評。
自分が興味がない分野を知ることができ、本のテーマに対しての興味もあるけれど、それよりも書評を書いている人がプロの書き手だからじゃないか、って思うのです。
本によっては、評論の対象となった本そのものを読むよりも書評の方がいいんじゃないかって気もします。
スタンスが違うから当然ですが、前述したように新聞記者の書き方とは明らかに違う。
ニュース自体のピックアップはネットの方が断然便利。
じゃあ、新聞で有利なことって?
抜本的な改革をしないのであれば(私自身は一度今のシステムは、流通含め解体すればいいと思っています)、何気なく目にしたものを読ませる力(これが書評ですね)、こういうのがもっと重きをおくのがいいんじゃないかな。