書くこと、編むこと、伝えること

編集者、ダイレクター、ライター、情報発信サポーター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けするメディアや仕事のあれこれ

「こだわり」という言葉を私が軽々しく使わない理由

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私は、情報発信サポートにしろ、食の編集・ライティングにしろ、イギリスの食研究にしろ、いずれにしろ食関連の仕事がメインです。

ここのところ本当に多用されるようになったなぁ、と思うのが、

“こだわり”

という言葉。

 

“こだわりの食材”

“こだわりのメニュー”

などなど。

 

食べることだけじゃないですね、あらゆるところでこの“こだわり”という言葉、使われています。

 

“こだわりの宿”

“こだわりのアイテム”

なんて具合にね。

 

 

この“こだわり”という言葉、私自身は基本使わないようにしています。扱いを慎重にしていると言ったほうがいいかもしれません。

 

 

“こだわり”を動詞の“こだわる”にしてみるとどうでしょう。

こだわる”を使った

“些細なことにこだわる”

という言い回しを、ぱっと思い浮かべるのではないでしょうか。

どんな印象をもちますか?

 

 

そう、この“些細なことにこだわる”にみられるように、本来、

“こだわる”“こだわり”

はネガティブな意味をもつのです。

 

・必要以上に気にする

・ひっかかったりつかえたりする

・けちをつける

といった風に。

 

現在、多くみられる

・物事に強く執着する
を表す
“こだわる”“こだわり”

は、先のネガティブな意味合いがプラスに転じたものです。

 

 

言葉は時代とともに変わるので、このこと自体にどうこう言うつもりはありません。

しかし、言葉を届ける対象によっては

“こだわる”“こだわり”

という言葉は避けた方がいいと私は考えます。

“こだわる”“こだわり”のポジティブな意味合いは新しいものなので、若者向けであればいいのでしょうが、その言葉を届ける対象が年配の方だと、違和感を抱かれるかもなぁ、と感じるのです。

 

一般的な内容の場合、一応の対象年齢はあるものの、実のところ年齢に関わらず、になるので、

“こだわる”“こだわり”

を私が使わないようにしているのは、こういう理由からです。

 

 

“こだわる”“こだわり”を使わないでどうするか、って?

“厳選する”

“吟味する”

“丹精込める”

“心血を注ぐ”

“思いを込める”

などと言い方を変えます。

 

 

それともうひとつ、私が

“こだわる”“こだわり”

を使わないようにしている理由は、あまりにこの言葉が蔓延してしまって、手垢がついてしまった感が否めないからです。

すっかり常套句になってしまって、本来伝えたいポジティブな

“こだわる”“こだわり”

がぼんやりとしか感じられない。

ricorice.hatenablog.com

 

 

さて、どう感じますか?