書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

ただいま「離席中」です

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仕事の約束が一日複数入っていて外に出ているとき。

空き時間がなく、うまい具合にスケジュールが決まっていることは稀で、

たいがい、30分、1〜2時間、時間があきます。

 

その間に個人的な用事(役所や銀行に行くとかちょっとした買い物とか)を済ませたり、食事を摂ったり、本屋をブラウズしたり、と、まあ、そのときどきで空き時間の活用法は変わってきます。

一番多いのは、コーヒー飲みがてらラップトップ広げて作業、です。

(ひところ取り上げられることの多かったノマドみたい(苦笑))。

 

ある場所では行く場所が決まっています。

コーヒーチケットも買うもんね!

理由は電源が設置してあるから。

ほんとっ、助かります!

 

そして、最近、近くに座っていた人が使っていて、へぇ〜、と気づいたのは、この店、

「離席中」

の札も用意してくれているのです。

うれしいなぁ。

 

 

私自身はまだ使ったことがない、この「離席中」の札。

これって、好きなだけいていいですよ、好きなだけ仕事や勉強してくださいね、

っていう店側の意思表示ですよね。

このお店、席に余裕があり、50席はあるだろうからできることかもしれないけれど、

うまく人間の心理をついています。

(この店、どの店員さんもあたりがやわらかくって、変に選民意識がないのがいい(なぜか飲食店の店員さんで、その店で働いているのがよっぽど誇りなのか、慇懃無礼な人っているんだなぁ))。

 

うれしいなぁ、ありがたいなぁ。
これって、いわば恩義なわけで、

利用しているうちに身びいきになり、それに応えたいな、と感じるようになるわけです。

 

・いつもはコーヒーだけだけど、たまにはケーキもつける

・周辺のほかの店には行かず、ここに行く

・まわりの人に「あのお店、いいよ!」と推薦する

SNSで投稿する

といった具合に。

自分で直接恩返しできなくても、何らかの形で返したい、って思うのよ。

 

 

時代が移り、その手段が変わっても、いつの時代も一番強力な情報ツールは“口コミ”です。

恩義を感じているから、なんらかの形で応えたいな、と思うので、

・まわりの人に推薦する

SNSで投稿する

ってな行動に出るわけです。

 

正直、今の時代、好みはあるにせよ、どこに行ってもそこそこおいしいでしょう。

このメニューを!という明確な目的があるとき以外は、ほかの選択肢からお店をチョイスするんじゃないかな。

・電源あり

  • 好きなだけいても嫌な顔をされない

というのは、選択肢として大きな要素に十分なります。

 

こういうの見るとね、もうゴリ押しの時代じゃないし、店側の都合を押し付けてる場合じゃない、ってのを痛感します、ほんとに。