書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

ドキドキが止まらない!

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編集の仕事に限っていうと、かれこれ四半世紀(!)続いているわけだけれど、いまだに慣れないことがあります。

 

それは、ファーストコンタクトをとること。

メールでってケースも増えてきたけれど、それでもこの第一歩は今も電話が圧倒的。

 

 

知らない人にいきなり連絡をとるのって、緊張します。

むげにされることへの恐怖もあります。これ自体は気にしないのだけれど(そんなこともあるだろう、ぐらいに思っているのですが)、それまで計画していたことがいったん白紙に戻ることもあり得るので、そっちに対しての心構えを、どんな球も受け止めていく覚悟が、ね。

 

たとえが大げさですが、「舞台にあがるのっていつまでたっても緊張する」って発言される歌手や俳優さんがいるでしょ。

あれに近いかも。

スタッフ間といった身内でなく、初めて外の反応を知るわけで、それが怖いのかも。

 

 

ぐっと決心して、受話器をとる。ふぅ〜。

企画の内容を説明し、取材や撮影に協力してもらうってケースがほとんど。

ときには、そのまま電話取材に突入することもあります。

数えきれないほどやっているのに、いつもいつもしどろもどろ。つっかえつっかえ話をします。

 

物言いに失礼があっちゃいけない。

変なタイミングで電話していないだろうか。

この企画をおもしろいと思ってもらえるだろうか。

 

実際には、冷たくあしらわれることってほとんどないんです。

この仕事を始めた頃、ものすごく不思議でした。

自分だったら、見ず知らずの人がいきなり連絡してきたら、まずはいぶかしんで、疑惑の目から話をきくだろうなぁって思ったから。

 

 

この電話をかけてアポイントメントをとりつけるってこと、一日中受話器を持ったままの日もあります。

つい、先日もそんな日々でした。

 

 

苦手かと聞かれると苦手というわけではなく、ただただ慣れない。

でも、もしかしたら慣れないことがあるって、いいことなのかもなぁって気もします。

というのも、この電話連絡でファーストコンタクトをとっていると、いつも頭に浮かぶのは駆け出しのころの自分。

ついつい慢心してしまいそうな自分をぐっとを引き締めるために、今も要所要所で用意されているのかもしれません。