書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

業界用語を使いたがるのはたいがいおバカさんである

f:id:ricorice:20161007014627j:plain

食、に限らず、でしょうが専門のことをしていると、かくかくしかじか悩むことがあります。

 

どういう言葉がふさわしいか。

 

たとえば、惣菜。

実は活字になるときは、総菜の方が多いんです。

それは、一番大きな理由は“惣”が学校で習う漢字ではないから。

とはいえ、もともとは惣菜。それを上記の理由で、惣から総におきかえることがなされたのですが、それでも惣菜の文字を見ることの方が多い気がします。

 

これって、感覚的なもので、総菜よりも惣菜の方がぐんとおいしそうに映るってのが理由じゃないかと睨んでいます。

私の本や雑誌、小冊子、ウェブ記事などの制作にかかわっていますから、こういうのいつも悩みます。私だけでなく、関係者は悩みます。

媒体によって、ときには同じ出版社でも編集部が違って出版物が変われば、このあたりの漢字の使い方は変わってきます。

そして、一応の決まりは作っても、内容によって変えたりもします。

そのあたりのさじ加減も悩むところ。

 

一様にいえるのは、わかりやすく、理解してもらいやすく、内容に沿った字を当てたいってこと。

 

 

なるべく平易な文章でわかりやすく、っていうのは、不特定多数の人を対象にする場合の基本です。

対象がプロであれば、専門用語が出てきたりもします。

それはわざとではなく、端的に示す言葉を使った方がまどろっこしくなかったりするから。

 

 

が、専門用語のほかに業界用語というか隠語もありまして。

ハワイをワイハ、と言ったりする、あれですね。

話し言葉のなかの潤滑油ならともかく、文章や大事な会議、ほかの業界の人と一緒のときでもこれを嬉々として使っている人って恥ずかしい!

そういう人って、はっきり言って仕事ができないから、そんなどーでもいいことで自分は業界人なんだぞ!ってのを誇示しているだけ、です。

そういうのに酔っていて、見ていてなんだかかわいそうだなぁ、という気にもなります。

我が身も振り返るべし!だわっ。