書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

読ませる対象が変わると切り取り方が変わる

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オリンピックがいい例。

日本だと日本人選手を大きくとりあげるし、イギリスだとイギリス人選手をとりあげる。

それは、前者は日本人もしくは日本在住者を、後者の場合はイギリス人もしくはイギリス人在住者を対象としているから。

同じ場所、同じ日時、同じ種目であっても。

 

なので、イギリスと日本が対戦して、日本が勝てば、

日本での報道は日本が勝った、だし、イギリスでの報道はイギリスが負けた、となります。

 

 

これ、実はすべてのことについて言えるんです。

数年前からコンビニでドーナッツをおいていますよね。

これを例にとると、広く一般に向けて、だと、

“コンビニでドーナッツを販売”

ですが、

コンビニ業界 → “コンビニ各社で展開しているのはこんな種類と味のドーナッツ”

製菓業界 → “コンビニ・ドーナッツに対して、菓子屋はどう立ち向かう?”

小売り → “ドーナッツをどう売る。そのメリットはどこにある?”

株 → “材料である製粉や厨房機器メーカーの動きに注目”

といった風に同じ素材でも、読者対象によってテーマ、切り取り方や読ませ方がまったく変わってきます。

 

何かを発信するときは、“誰に向かって、何を伝えるか”を明確にするのが大事、大事。