書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

お友達価格 = 多く支払うこと、だと思う

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分かりやすい例を。

たとえば私が引っ越すにあたって、お知らせのハガキを作りたいとします。

そんなとき、周囲にグラフィックデザイナーの知り合いがいるとします。

何度か仕事をしたこともあり、お願いするとします。

 

こんなケースでよく使われるのが、こんな言葉。

「お友達価格で」

 

これ、本来は、多く支払うことだと、私は思っています。

だって、ある程度の認識があるから、一から詳しく説明しなくていいでしょ、(おそらく)向こうは融通をきかせてくれたり提案をしてくれたりするでしょ。

それって、スムーズな仕事をお願いできるってことで、その分、こちらのストレスが減るわけだから、そのことに対して、ありがとう!を支払い金額で伝えるといいんじゃないかな、と考えています。

 

ささっとやってくれたから安くていい、ってのは大間違いで、ささっとできるその背景にはこれまでの蓄積があってこそ。

簡単なわけではなくって、大変さを見せていないだけだから。

そこに敬意を払わないとね〜。

 

私がお願いするときは、自分の中の相場の2割増ぐらいでお願いするようにしています。

だって、安く見積もるってことは、その人の仕事に対してそう捉えているってことの表れで、それって失礼じゃない?

これまで築いてきた人間関係も壊れちゃうよ。

そして、もし事情で廉価でお願いせざるを得ないことがあったら、それは決して口外してはいけないと思っています。だって、その人の価値を低くしちゃうから。

 

もし、向こうが「お友達価格でいいよ」と言って安くしてくれたら、そのときはありがたく好意に甘えることにしています。

 

お友達価格、知り合い価格は、お願いする側が安い値段で打診することでは決してない、というのが私の持論です。