書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

VJデイとインペリアル・ウォー・ミュージアムと『夜と霧』と

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被害者でもあり、加害者でもあったんだよ。

日本でいう終戦記念日の8月15日は、VJデイ(Victory for Japan)でもあります。

ricorice.exblog.jp

 

昨年、2017年11月11日(土)、住んでいたり定期的に訪問したりする国、イギリスで、

初めて、インペリアル・ウォー・ミュージアムに行きました。

イギリスにおいて近代の戦争の中で日本人であることは、決して居心地のいいものではなく、

なかなか腰が上がらなかったのですが、ようやく。というより、たまたまのタイミングで。

 

訪ねるまでまったく知らなかったのですが、

インペリアル・ウォー・ミュージアムホロコーストの展示があり、

アウシュビッツの縮小模型などもあり、

言葉が適切かどうかわかりませんが、充実した内容です

(12歳だったか15歳だったか以下は、その内容から入場できません)。

感情的なものではなく淡々としたもので、余計にどっしり重くのしかかります。

 

それはドイツ、ナチスを責めるものではなく、

なぜ、起こったのか? これからどうしていけばいいのか?

と来館者ひとりひとりに問うような。

(もっとも、戦勝国であるから、こういうことが可能なのかもしれません。

 インペリアル・ウォー・ミュージアムという名称自体も)。

 

 

死ぬ前に読もうと思い続けている『夜と霧』。

こちらの態勢を整えないと読み通せないだろうことは容易に想像でき、

なかなかそこまでに自分を持っていけていなかったのですが、

ようやく大丈夫、かな。

 

お盆の帰省ラッシュってすさまじいのねぇ

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先週金曜日の8月10日の夕方、東京発の東海道新幹線を利用。

お盆シーズンスタート日ってことで、飛行機が目をひんむくほど高かったので、

長距離移動だけどたまには新幹線を使うか〜、となった次第。

 

学生時代は、青春18きっぷで、23時30分頃東京駅発大垣行きの列車を使用したり

(藤沢あたりまでは正規料金で、600円ちょいだたかな。日付を超えてから青春18きっぷを利用)、

そもそもお盆の時期をずらしていたし、

働き出してからも、務め人だったときはシフト制で順繰りで夏休みをとっていて、

なるべくお盆時期をずらしていたし、

フリーランスになってからはお盆はほとんど関係ないし

(確かに取り引き先がお休みだったりするけれど)。

 

そもそもが混んでると分かっているのに、混んでいるときに出かけようとはまったく思わないので、

やむなくタイミングがぶつかるときは、席を予約する、朝イチの便にする、日にちを1日でもずらす、などでささやかな努力(?)をし、

それが功を奏していたのかどうかはともかく、

今までいかに移動がスムーズな人生だったのかを、この日思い知らされたのです。

 

8月10日(金)18時30分頃東京駅発の東海道新幹線

東京駅が混んでるなぁ、こんなに混んでるの初めてかも、ぐらいののんびりした気持ちでした。

確かに、駅には指定席売り切れの表示。

乗り込んだ指定席は、乗車率ほぼ100%。

 

すると、駅が進むにつれ、

グリーン車に立たないように」

「○〜○号車はこれ以上人が入れないので、デッキ移動してください」

「荷物を引いてください」

などのアナウンスが。

ときに怒りが混じった声になるときも。

 

おいおい、朝の通勤ラッシュの山手線か! 京浜東北線か!

 

新幹線に乗車していて、こんなアナウンス、初めて。

人が多すぎて、予定の時間を遅れるってのも初めて。

 

 

確かに人が移動する時期ではあるけれど、今どき、帰省ラッシュなんてあるの?

な〜んて思っていた私の認識が甘かった!

もっとも帰省だけで移動しているわけではないだろうけど、

お盆シーズンってのは一斉に休む時期なんだねぇ。

そのことを生まれて初めて、実感として体験したのでした。

やっぱりどうしても便利な方に流れちゃうよねぇ

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先日、Suicaの履歴を印刷して、再認識。

 

JRや地下鉄の運賃として、よりも、

コンビニや自販機、ドトールエクセルシオール、駅ビルや地下街での買い物の際、

駅のコインロッカーや荷物の一時預けの支払いにおいて、

もはや現金よりもSuica利用が圧倒的に多くなったなぁ。

 

財布を出したり、小銭を計算したり、おつりを受け取ったりの手間がないのが、断然ラク

サクサク、とレジが終わるのに慣れると、現金って面倒くさいよなぁ。

数年前まではン千円以上はクレジットカード、それに満たないと現金だったけれど、

現金が電子マネーにとって変わられようとしている私の日常。

 

スーパーマーケットやドラッグストアでもっと加盟店が増えると、

電子マネー率がもっと上がりそうで、

となると、Suicaは共通乗車カードとしてよりも電子マネーの比重が今以上にぐっと上がるよ、なぁ。

 

 

楽しい、うれしい、気持ちで仕事を終わるための場

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 7月に発刊された『ドイツ菓子図鑑』の打ち上げと、

『ドイツパン大全』(昨年発刊)のグルマン世界料理本大賞・パン部門グランプリおよびドイツ観光功労賞を受賞したお祝いを兼ねて、

制作陣で食事へ。

 

どちらの本も同じ制作チームによるもの。

著者・監修の方、ブックデザイナー(エディトリアルデザイナー)さん、アートダィレクターさん、カメラマンさん、出版社のご担当の方、私の6人でわいわい。

制作時はそれぞれで顔を合わせることはあっても、全員で、ってことはないので、なかには、去年の同じ頃に行った『ドイツパン大全』の打ち上げ以来の再会、って方々もいらっしゃいました。

 

それぞれの役割があって、プロジェクトのためにチームを組むようなもので、

制作時はそれぞれがそれぞれの持ち場でそれぞれの仕事をするものの、

協力し合ったり、気遣ったり、を経てできあがったときは

統括/指揮をする立場のこちらとしては、感謝の念があるわけで

(人によっては自分の範疇の仕事しかしない、やっつけ、という姿勢の人もいて、それはそれで否定はしない。

 ただ、その場合は、そういう人だ、と思ってこちらも接するので、

 わざわざ場を設けて労をねぎいましょう、という感情には当然ならない)、

こうして打ち上げという場が持てるのは、うれしいことです。

 

私が統括/指揮の場合、会計を私持ちにすることで、

感謝の念を表明できる場が持てる、ってのも、ね。

 

もっともタイミングなどもあるので、そういうチームで仕事をしても、

毎回打ち上げができるわけではないけれど。

 

 

こうしてわいわい楽しく終われると、

プラスの感情がより増幅してひとつの仕事の終了となり、

その記憶がインプットされるので、

また頑張ろう!という気になるのもいいなぁ、と思っています。

 

 

これは思いがけないご褒美、のようなもの

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資料探しとブラウズで書店へ。

ひととおりぶらぶら回ったところで、ぱっと目についたのが、この2冊。

 

『グラス・スイーツ・バリエーション』と『ドイツ菓子図鑑』。

おおおお〜っ! この5月、7月に発刊されたもので、

どちらも私は制作指揮/編集統括した本じゃない!

 

ありがたいことに両方平置きで(書棚に並べているのではなく)、

そしてこれにびっくりしたのが、

ある程度以上の規模の書店であれば、隣り合わせにする内容とは思えないのに、

仲良く並んでいたこと

なんだか不思議〜。

 

自分が手掛けた本が電車の中で読まれている、という不意打ちにたまに出くわすことはあって、

これもそれに近い。

こそばゆいけれど、全然悪い気はしない。

思いがけないご褒美、みたいなものかな。

 

うん、これからも頑張りなさい、と発破をかけられていると思うことにしよう。

安心して! 休みは休みでとってください

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おつきあいのある出版社編集部の方とのやりとりの中で、申し訳なさそうに

「8月11日(土)〜19日(日)は社全体で夏季休暇です」と。

 

そーよねー、一斉に休む方が休みはとりやすいもんね。

 

「メールは確認できるので、何かあればどうぞ」

 

気遣ってもらっているのはありがたいけれど、

至急連絡とれないとマジ困る!な〜んてことは本当のところ滅多にないので、

解決できることはこちらでやるし、事後報告や事後相談でいいことは業務再開になってから連絡するし。

 

それにしても、土日入れて9日間、実質1週間って、やっぱ少ないよね。

最低でも2週間は欲しいよね(っと、くっつけてとれる人はとれるのかな?)。

 

私の理想は、5カ月ガンガン働いて、1カ月ほけ〜っとする(実際は高飛びして、刺激をインプットする)、これを年2回繰り返す生活。

やろうと思えばできる、と思うので、実践あるのみ。

 

 

そして、こういう休みをとるときに、すみません、みたいな空気がなくなるといいな。

ご迷惑をかけて、とか、ご不便をかけて、とか、要らないから。

単に、休みます、休んでました、でいいのに、ね。

受けるこちらも、あら、そうなの、でいいのに、ね。

 

仕事は楽しいか? 東京は楽しいか?

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10年ほど前に、小学校3年生ぐらいの子供にそう尋ねられ、

別段他愛ない会話の中でのことだったんだけれど、

そのことがずっと引っかかっていていました。

「仕事は楽しいか? 東京は楽しいか?」

 

そのときの私の答は

「仕事はおおむね楽しい。東京もとても楽しい」と切り出し、なぜ楽しいのか、その理由と、ここはちょっとなぁ、ってことも付け加え、

その子は、うんうん、って聞いていたものの、途中から分かったような分からないような、退屈そうな表情になったので、テキトーに切り上げたんだけれど

(無理もない。詳細を聞かされても、小学校3年生ではまだそこまで想像ができないことも多いだろう)。

 

 

その会話がず〜っと引っかかっていて、その理由がようやく私の中で判明。

それは“楽しいか?”という質問の仕方だったんだな。

これって根源的な問いだよなぁ、

 

昨今、仕事における“大変さ”みたいなものに焦点が当たりがちで、

もちろん問題は解決していかないと、だけれど、

その根本として、“仕事は大変”ではなく、“仕事は楽しい”が前提にないと、

仕事したい!なんて思わなくなるよなぁ、ってことが

「仕事は楽しいか?」って質問に凝縮されたいたんだな、と思いいたったんです。

 

当然だ!

人間は、つらいことよりも楽しいことになびき、惹かれるもんだから。

 

なので、それに対して「楽しいよ」ってことを言葉でも態度でも示すのが、

すでに仕事をしている人間として、後進に伝えられることなのかなぁ、と感じたりする今日この頃です。