書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

Momofuku, Lucky Peach and Ando(モモフクとラッキー・ピーチとアンドー)

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アメリカ合衆国にはハワイしか行ったことがありません、私。

そもそも、アメリカ大陸に足を踏み入れたことがない。

 

私は食関連の編集やライティング、イギリスの食情報をしているので、多少なりとも情報は入ってくるけれど、それはまったくもってアメリカの食事情を知るのに十分ではありません。

 

そんななか、Momofukuってラーメンチェーン店がアメリカ合衆国にあるって知ったのは5〜6年前、

予備知識が何もないもんだから、初めて知ったときに、へっ、日清食品がアメリカで飲食店を展開してるの?って思ったぐらいで、その店名がやけに印象的で。

(モモフクとは百福とも書き、インスタントラーメンを生み出した日清食品の創始者の下の名前)

momofuku.com

 

この読みは半分正しく、半分外れ。

というのも、で、名前の由来は(安藤)百福へのオマージュもあるみたいだけど、経営しているのは日清食品ではありません。

 

で、私がなんでMomofukuを知ったかというと、FB経由。

ふとたどり着いたLucky PeachというFBページ、そしてそのおおもとであるウェブサイト(さらにもとは雑誌だけど)がアジア系食情報満載でとてもおもしろく、今も楽しみに読んでいるのですが、これを運営(なのかな?)しているのが、モモフクだったのです!

luckypeach.com

モモフクはそもそも百福ではなく、桃福。

(日本では薄れてしまったけれど、東洋で桃はもっとも尊いとされる果物)

これの英語におきかえたのがLucky Peachってわけ。

 

いや〜、たまげた!

Lucky PeachはMomofukuの店紹介ではなく、アジアの食メディアとして見事に独立してるんだもん!

自分の店の宣伝ツール(広義ではそうでしょうが)ではなく、あくまでメディアという位置づけにした潔さにますます好きになったのです。

 

で、こんなことも始めるようで(↓)。

www.businessinsider.jp

Momofukuが新しく着手したのはフードデリバリー。その名もAndo。

もともと安藤百福をそこまで意識していたかどうかは不明だけれど、逆にそれにのっちゃう!って感覚もいい。

 

こういう新しいこと、さっとやっちゃうノリ、わくわくするなぁ。

 

 

なわけで、一度も行ったことのないMomofukuの動向がいちいち気になる私です(笑)。

こういう店の知り方って、私の仕事柄ってのもあるかもしれませんが、SNSやネットメディアが発達した今の時代ならではの情報の拾い方。

インターネットなしでは知りえなかったお店だもの。

 

Lucky Peachのウェブサイトが、有益でかゆいところに手の届くような、おもしろい企画満載だったから、何これ!おもしろい!ってなったわけで、そうでなかったら素通りしていたことを思うと、結局、訪問者のためになるコンテンツ作りって基本中の基本。

そのあと、どう広げるかって問題もあるけれど、こっちありきじゃ決してないんだよね。

 

 

ところで、Momofukuはイギリス/ヨーロッパにあるWagamamaが形態としては近い、のかな?

www.wagamama.com

 

迷っても言い切る方がいい

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人間100%の気持ちになることなんてないのですが、

でも、肝心なことは言い切った方がいい。

ブログのタイトルとか、文章のまとめとか。

ここに“私はこう思います”とか“私はこう考えます”っていう言葉は不要。

(本来は本文にも要らない、のですが、これはなかなかむずかしい)

 

これ、とっても勇気のいることです。

というのも、“思います”とか“考えます”って加えることは印象をやわらかくするし、そこには相手の意見も尊重しますよ、という考えが透けてみえます。

でも、同時に、ぼんやりしちゃうんですよね。

もっと言うと、響かないし、刺さらない。

言葉がさーっと通り抜けちゃうんですよ。

 

言い切る、というのは覚悟を伴います。

でも、届けられる人には、言葉を届けることができます。

それは、熱狂的に受け入れられるかもしれませんが、同時に徹底的に嫌う人も出てきます。

 

それでいいんです。

何となくいいな、と思ってくれる人たちは、悲しいかな、一介のお客さま。すぐに次のなんとなくいいなに移動し、私たちのことは覚えていません。

よきにつけ悪しきにつけ、相手の心をしっかりつかむには、はっきりものを言うに限ります。

雰囲気として英語を使う気持ち悪さ

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私がイギリスに渡ったのは30歳過ぎて。

私がイギリスのクッカリーコースに行ったのは30代後半。

 

言語は習得が若ければ若いほどいいと言われていて、それは否定しませんが、年齢を重ねて英語圏に身をおいたからこそよかったこともあります。

 

それは、体系立てて言語を理解しようとしたこと。

数学でいう公式をどっしりと主軸に据え(私があるレベルまで行くと、語学は文法が大事!というのはそのため)、それがあるからこそ、そこから広がり、つまり応用がきき、理解できる、というね。

 

なので、文法含めいわば英語学を、ある一定期間徹底的にやった身としては、私レベルですら、日本で蔓延している変な英語表現が居心地悪いのです。

 

というか、そもそも必要ですか、ね。

ポスターや雑誌のキャッチコピーに見る、意味不明の言葉の羅列。恥ずかしくって仕方がない!

私たちは英語ができない(それは別にいい)、それを意識できないおばかさんです、って声を大にして言っているようなものだって、どうして気がつかないんだろう?

日本語だけだと決まらない、というのは制作者サイドの怠慢だと思う。

もし、英語やほかの言語を入れたくって、作ったはいいが確認がもてないなら、(ちゃんとお金払って)プロの目を通しなさい! 

 

なんとなく英語(もしくはほかの言葉を入れる)って、それをかっこいいでしょ、って、だっさ〜っ!以外の何者でもないけどね。

日常生活で英語を使わない、苦手でコンプレックスがある人に限って、こういうことをしたがる。

 

 

ricorice.hatenablog.com

 

お店が閉店中/休業中を表すのに

Close

ってあって、これ大間違い。

Closed

ですから。

“We are closed”の“We are”を省略したものですから。

 

幸か不幸か

Open

は正しい。これは、

“We are open”が元の文章なので。

 

 

細かいことは気にしない質ですが、意図的にわざと気をひかせるためでなく、雰囲気だけで英語を使うっての、いい加減やめて欲しい。だって英語スピーカーを相手にしているわけじゃないんでしょ。
もうね、気持ち悪くって仕方がない。

 

 

情報の拡散は、見た目こそ大事よ

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いつだったか訊かれたことがあり、計算すると、

これまで取材した飲食店はどう少なく見積もっても1000はくだらない。2000軒はゆうにいっているんじゃないかなぁ。

(私は食関係のライティングや編集が、自分のキャリアで一番長い仕事です)

で、今もこの仕事はしていて、

こうやって蓄積があると、振り返りつつで、時代の変化もバッチリ感じます。

 

取材って、1伝えるために10聞く必要がある、というのが私のやり方で、

この10聞くのなかに一見どうでもいい話、世間話みたいなのもあったりします
(でも、これが脇を固めるために大事で、加えておっと新鮮な気づきがあり、ほかの企画につながったりすることも少なくありません)

 

で、ここ数年、SNS、もっと限定するとFBページをうまく使っているところが増えたな、だったのが、

日々の情報拡散にはインスタグラムを使っています(ほかのSNSは使わない)というところもあり、

時代は常に変わっていることを実感!

つまり文字から視覚情報へと確実にスライドしているってわけです。

 

 

確かに、インスタグラムは俄然おもしろい。

実際に使うときの感覚も違えば、訪問する人たちも違う。

もうね、Snapchatにも着手したい!私なわけですよ(まだなの。。。)

 

ricorice.hatenablog.com

ricorice.hatenablog.com

 

 

見つけた! 私のA級備忘録(よい子のみんなは読まないでね!)

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ブログにおいて、私自身はSEO対策が必ずしも最優先とは思わないのですが、

(その2大理由は、
 ・まずは情熱を持って書くこと

 ・2017年現時点ではインスタグラムの#検索の方が俄然おもしろい)
でも、同じやるならSEOのことも頭の片隅にとどめておいた方がいいのも事実。

 

で、こんな記事が!(↓)

billion-log.com

うんうんうん!

頷く部分あり、こうした方がいいかな、と私が感じていることをすでに実践されていて、実証されていたり(実際にやるのは本当に大変だから)。いやはや、すごい!

やっぱね、経験談はぐいぐい引き込まれます!

寄る年波にはかなわないので

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私はフリーランスで従業員がいるわけでなく、子どもやペットがいるわけでもなく。

更年期も(プチ更年期もなかったなぁ、自覚がなかっただけ?)、老眼も、大きく太ったりやせたりも、白髪もきっとこれからすぐにドンと来るだろうな、な段階です。

さすがにしわやしみ、たるみは増えたけれど、しみじみと自分が年齢を重ねていることに対して鈍感です。

おまけに相も変わらずロングスリーパーだし、大食いだし。

 

ですが、ですが、

さすがにこれは加齢だなぁ、

って現象がありまして。

 

出張で朝早いときがあります。

そんなとき、たいがい2時間ぐらい仮眠をとってから出かけます。

ヨーロッパ行きの飛行機とかだと、10時間以上あるから飛行機で寝られるけれど、国内移動だと、移動時間が短く、ぐっすり寝る、まではいかない。

そして到着したら、すぐ動き始める。

 

いえね、出張中はいたって元気なんですよ。

基本、元気で、これは本当にありがたい。

 

問題は、帰ってから。

帰ったその日は元気。

 

ですが、次の日からが大変。

疲れが一気に出るのか(自分では疲れているとは感じないのだけれど)、出張期間と同じだけリカバリーに時間がかかります。

 

どうやって回復させるか。

時間さえあればひたすら寝ています。

急ぎのものだけはなんとかこなして、締切りが迫っていないものは後回しにしています。

ここでどんなに無理しても、集中力はないし、いい仕事ができるとは思えないし、思い切って体を休ませる方を優先しています。

 

まとめて眠れそうならまとめて、細切れなら細切れで。とにかく時間さえあれば寝る。

すると、出張と同じ期間を経て、体がもとに戻ります。

 

若いときはこんなことなかったけどねぇ。

寄る年波にはかなわないわ!

それが現実だから、抗わず、できることで対処していくってことかな。

ヤマト運輸・宅配便危機の反応に見る居心地の悪さ

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“この忙しい時期に頑張っている業者さんたちは特別料金をとってもいい! 

チップを渡したくなる!”

って綴ったのは、今年2017年の年明けのこと。

ricorice.hatenablog.com

 

私の場合、ちょっと前の方が宅配便利用は頻繁でした。

仕事での校正紙やCD-Rの送付etcで。

でも今はオンラインで随分こと足りるようになりました。

 

それでも、冒頭のように感じたのは、

それこそ問題になっているAmazonの荷物をヤマト運輸が引き受けるようになったとき。

配達なさる方に「あら、Amazonはヤマトさんの配達になったのね」から始まり、

しばらくして、ヤマト運輸の方が急いでらっしゃる様子だったので、訊くと相当大変そうなことが判明(言われているようなことですね)。

再配達が多いことも大きな問題のひとつ、ときき、そうか。。。と反省ひとしきり。

 

が、これがですね、そのつもりで時間指定しても、やむにやまれず、ってこともままあり。

申し訳ないなぁ、と思いつつ。。。

 

 

www.huffingtonpost.jp

で今の時代、今回のヤマト運輸・宅配便危機報道を受けてのリアクションを

ネットとかで見ることができるでしょ。そうしたら、

「私はちゃんとやってまああああす!」

みたいな声を上げている人が多くてびっくり!

 

そうかもしれないけれど、そんなこといちいち拡声する必要はないのに。

そこには言外に

「ちゃんとやんない人たち(私のような人ですね)がいるからこんなことになっちゃったんじゃない!」

が見え隠れする。

新しいマウンティングかしらん。

 

自分の正義とか正当性を必要以上に振りかざされるのって、なんだか居心地悪くて仕方ないんですけど。。。

昨今の有名人バッシングにも通じるような、今の時代の閉塞感や息苦しさを感じてしまうのです。