書くこと、編むこと、伝えること

食のダイレクター、編集者、ライター、イギリスの食研究家“羽根則子”がお届けする仕事や日常のあれこれ

アウトプットすることで“ぼんやり”が“はっきり”する

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ブログを続けるメリットは、

・以前に書いた記事が埋もれない(検索エンジンでひっかかる)

・エントリーが蓄積することでどういう人(/会社/サービス)か案内できる

・自分で発信したいことを発信できる

などとさまざまですが、もしかしたら一番大きいのはこれかな、なのが、

・アウトプットを習慣づけることで、ぼんやりと考えていたことが形を成す

 

これ、本当です! 自分でやって実証済み。

「よくまあ、毎日2つのブログをアップデイトしてるなぁ!」と言われるのですが、その大きな理由のひとつはコレです。

 

そして続けているとおもしろいことに、“考えて整理して書く”のではなく“考えながら整理しながら書く”と同時進行でできるようになります。

 

思考って目で見えるものではないから、

ブログを綴ることで、それができるって、ものすごいお得感です。

もちろん、公開するからには第三者にどう見られているかも大事なんだけれど、

その自分が何を考えているのかを自分自身が認識することが、まずは必要だなぁ、と実感したりして!

絵を描くように文章を書く

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自分が“どう思う” “どう考える”といった主旨の文章ならともかく、

例えば飲食店レポートがわかりやすく、状況を綴るときは、目に見えるものを言葉におきかえます。

 

・おいしいお好み焼き

これは主観であって、読む方にはわからないんですよね。

・ふっくらと焼き上がった

・たっぷりのソースがかかった

・7種類の具が入った

といった目に見えることを言葉におきかえると、その場にいない読み手もイメージしやすいんです。

なので、絵を描くように言葉を具体的に綴るのがいい。

 

これ、頭でわかっていてもなかなかむずかしい。

それもよくわかります。

 

 

そこでおすすめなのがラジオ。

よく番組のなかでレポーターが登場し、スタジオを飛び出し、外からレポートしているでしょ。中継ってやつです。

これがとても役に立ちます。

具体的な色、形、大きさなどを押さえて、しっかり伝えています。

それに対して、補う形でスタジオの司会進行役の方が質問したりするでしょ。これも大事な要素。

 

テレビの場合は、見た目を細かく言う必要がないけれど、ラジオは音だけが頼りだから違う。

同じことでもテレビとラジオとでは視覚情報があるかないかのため、伝え方が違ってきます。

文章も書く作業は、ラジオのレポーターが状況をレポートするのに近い。

 

なかなか具体的に書けない、という方。

ラジオを聴いてみることをおすすめします。

そして、例えば、電車に乗っているときなどに、レポーターになったつもりで頭のなかで、目に見える情景ををレポートしてみるとよし。

これ、本当にむずかしい。

でもやってみると、文章を書くときに自分で気をつけるようになります。

その気づきがあるだけでも、文章はぐっと読みやすくなります。

 

もはや写真はコミュニケーションツールである

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最近読んで、ものすごおおおく納得した記事(↓)。

www.fuze.dj

ここ数年、私がぼんやりと感じていたこと、

ricorice.hatenablog.com

 

ricorice.hatenablog.com 

 

インフォグラフィックは大事だなぁ

インスタグラム的なアプローチを紙媒体やほかで展開できないかな

の理由を見事に言葉にしてもらった感じです。

 

プロフィールの“ぱっと見”情報を揃える

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個人もそうだしお店や会社もそうだし、

ウェブサイト(ホームページ)にしろ、ブログにしろ、FBにしろ、ツイッターにしろ、インスタグラムにしろ、名刺にしろ、

自分がお店や会社がどんなことをやっているのかわかるようにプロフィールを記します。

 

このプロフィール、何を目的に、誰に何を伝えたいかによりますが、写真だと概して、

個人の場合だと顔写真になるし、お店や会社だと外観だったり内装だったり、看板メニューだったり売れ筋商品だったりスタッフの集合だったりします。

 

複数のメディア(ウェブサイト、ブログ、FB、ツイッター、インスタグムetc)を駆使してらっしゃるところが多いかと思いますが、

これ、写真にしろ紹介文にしろ、揃えるのが望ましい。

というのも、特に写真は同じものを使っているとぱっと見で、ああ、これは○○さんのブログでこれはFBだなぁ、というのがわかるからです。

どんなことをやっているかの紹介文は、スペースにより一字一句揃えることはむずかしいと思いますが、軸はぶれないようにしたい。

 

ただし、たとえばブログなどで、複数のアカウントを持っていたりすると、それらは揃えなくてもいいのです。でないと、メインとそれ以外との違いがわからなくなっちゃうから。

なので、ビジネスとしてのFBページはかちっとしていて、個人で使うFBはカジュアル、ってのはおおいにあり。

 

 

そして、個人事業主だったり、お店であればシェフだったり、オーナーだったり、自分自身が看板となるときは、しっかりとしたプロフィール写真を使うのがベスト。

顔が見える、というのは安心するのです、しかも、ちゃんと撮ってあるものだと信頼がおけるんです。

恥ずかしい、という方も多いのですが、これ、自分を“見て! 見て!”アピールのためではありません。

相手に自分を認識してもらうために、そして面が割れていることにより“ちゃんとやってます”を暗黙のうちにしているわけで、非常に大事なんです。

日々のちょっとした写真は自分で撮影したものでいいのですが(むしろその方が親近感が持てたりもします)、プロフィール写真はじめ要となる写真はプロに頼むのがいい。

 

 

文章にしろ写真にしろデザインにしろ、すべて自分でやる必要はありません。

“餅は餅屋”、幹となるものはプロに頼み、枝葉は自分でやる。

そのメリハリも、無理なくSNSを持続するためには必要です。

 

SNSの更新頻度と売上高の増加は関連している

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国の機関、中小企業庁による「小規模企業白書2016年版」。

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/shokibo/03sHakusyo_part1_chap2_web.pdf

このなかで、前半に小規模事業者が宣伝におけるIT活用についての調査結果が掲載されています。

いろいろ細かく調査してあり、これが見応えありで、おもしろいですねぇ。

 

言えるのは、

SNSの更新頻度と売上高の増加は関連している”

ってこと。

 

SNS(ブログやFBやツイッター(厳密には違うけど)など)は活用した方がいい

・インターネット抜きにビジネスが成立しづらくなっている

ってことが数字として裏付けられた恰好です。

 

ウェブサイト(ホームページ)とかチラシとか広告出稿とか、大きな宣伝ツールは自分ではできないから、プロに任せるってことになるのでしょうが、SNSについて自分でもできます。

でも、なかなか手が回らない、何をしていいのかわからない、って方が多いんですよね。

わかります! 小規模事業者って自分であれもこれもしないといけないですから。

私に相談される方もまさにそう。

 

 

まずは広げてみて、やることは何か、そして「任せること」「自分でできること」の仕分けをしてみるといいですよ。

あこれもこれも全部はできないし(やる必要もないし)、自分ですべてやろうとするとパンクするし。

混乱したら、第三者に相談するのも手。意外と自分では気づかなかったこともあったりしますし、お金を払うとモトをとろうという意識が働きますし、ね。

たり、たり、たりたりら〜ん

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文章に書くのにこなれてくると(な気がしますが)、

・同じ言葉の繰り返しを避ける

を意識するようになります。

 

たとえば、

“疲れている”

を表現するのに、

“疲れた”

“疲労困憊”

“帰宅するとすぐにベッドに直行”

といった具合に。

 

この

・同じ言葉の繰り返しを避ける

は文章を綴る上で鉄則ではあるのですが、

一方で、同じ言葉を繰り返すのが決まりとなっている表現があります。

 

それは

“たり”

 

ものごとを並列、同じ次元で並べて表現するときの言葉です。

 

例を出しましょう。

 

例1:久しぶりの休日は、家で料理をしたり床拭きをしたりした。

 

こう使います。

何言ってんの? 当たり前じゃない、って思うかもしれないですね。

 

では、これはどうでしょう

 

例2:久しぶりの休日は、家で料理をしたり床拭きをした。

 

これ間違い。でも多いんですよ、こういう使い方をする人。

床拭きのあとにも“したり”が必要なんです、例1のように、ね。

 

 

“たり”は1回だけ使うってことができない言葉なんです。

“たり” “たり”と連続して使うことで、初めて体をなします。

 

無意識のうちに、例2のように使っていること、多くないですか?

“売らんかな”の押し売りはしない

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ひと昔前はそれでよかったのでしょうが、

今はあからさまな“売らんかな”では売れないんですよね〜。

仕事でそういう話を見聞きし、感覚としては理解していたことが、

実際に体験すると、本当にそうなんだなぁ、と納得します。

 

私の場合、扱っているのが情報で、メディアの仕事が大半なため、

直接自分のお客さんと関わることって、とても少ないんですよね〜。

そんな状況なのですが、

イギリスの食研究家として講座やイベントで自著をご紹介したり、

インポーターさんのお手伝いでモノを売ったり、

ってことがたまにあります。

すると、しみじみ感じるんです、“売らんかな”ではモノは売れないって。

(よくよく記憶を手繰ると、新卒で入った会社での仕事や学生のときのアルバイトも経験として重要だったなぁ)

 

だってね、今の時代、いいものであふれているでしょう、悪いものを探すのが大変。

そのなかで「いいですよ!」「おいしいですよ!」「お買い得!」などといった常套句だけではまったく売れないんです(よっぽど突出したものがあれば別ですが)

 

そこの秘められたストーリーとか、世に出るまでの背景とか、なぜ、惚れ込んでいるのかの情熱とか、「こういう困ったときに使えるんです」とか、そういったことをちゃんと見せ、“売る”ではなく“提案”する。

もしお客さんの求めているものと違うな、と思えば、ほかを案内するぐらいの懐の深さ。

これが結果として、“売れる”につながるんですよね〜、“売る”ではなく。

 

 

これ、対面だけではなく、SNSでも一緒です。

ただ新メニューやアイテムのスペック(商品名とか値段とか)だけを投稿しても、それって押し売りにしかならない。

意外と忘れがちなんだなぁ。

やはり目の前にお客さんがいる、その気持ちで取り組まないと、かえって残念な印象をもたれます。